アジアンホラー批評会

【呪詛】台湾産ホラーは進化した!話題のネトフリ映画!

呪詛のタイトル画面

日本のホラー映画は陰湿でじめじめとしたずっと続く後味の悪いホラーを想像すると思います。 実は台湾ホラーがとても進化していて、注目されているのをご存じでしょうか?
2017年公開の「紅い服の少女」を皮切りに、2021年公開「哭悲/THE SADNESS」と続いて、 今までにない異質なホラー映画を出し続けております。
今日は2022年7月8日にNETFLIX限定で配信されてた「呪詛(じゅそ)」をご紹介します



過度なネタバレを含みますので、ご注意ください

















アジアンホラーはただの過激なスプラッターではありません。

呪詛の画像

この映画は母が子どもを助けるために様々なことを行う、
疑似ドキュメンタリーのようなドフッテージジュ法を盛り込みながら描いたホラー映画になります。
POV(登場人物の視点をカメラワークにする手法)を駆使して、観ているこちら側をめちゃくちゃ巻き込んでこようとします。
語りかけてくるタイプのホラー映画なのでお家で1人きりのときにスマホやタブレットで見ているのが一番最適です。最悪で最高ってやつですね。




今まで自分が撮った中で一番邪悪な映画

呪詛の画像

メガホンをとったケヴィン・コー監督は、

「効果的なホラーシーンをつないで視聴者を怖がらせることはできます。しかし、良質なホラー映画はこうしたトリックがすべてではありません。核となるべきは、そこにある人間の性です。突き詰めれば、視聴者が登場人物に感情移入できるかどうかなのです

(引用:Netflix公式サイト)」

と言っているだけに、観ているこっち側が感情移入しやすい箇所がいくつも仕掛けてあります。
観ているはじめはただのホームビデオを見せられているような印象を受けましたが、
過去と現在を行き来しだしてからは、少しずつ少しずつ私たちに恐怖の伏線が張られており、
最後の最後で衝撃の事実にたどり着きます。

途中で子どものの呪いを浄化するために7日間食事を禁止するあたりは、
日本でもママ友の言葉を信じた母親が5歳の息子を餓死させた事件を思い出して
間違ったものを信じるという怖さが現実リンクしていてとても怖かったです。




台湾で実際にあった事件に着想している?!

呪詛の画像

台湾で実際にあった事件から着想しています
文春さんの記事を読んでみると凄まじい事件であったことがわかります。
ここにも間違ったものを信じているという怖さが現実でも起こっていて、
この事件もこの映画も『恐ろしいの呪いから我が子も守ろうとする親』という類似点があります。
どちらの親も知らぬ間に間違いを信じてどんどん周りを巻き込んでいくという怖さがあります。




観客が主人公に感情移入する怖さ

呪詛の画像

この映画の恐ろしいところは、昔々に流行っていたチェーンメールや呪いのビデオのように人々に恐怖が伝染していくという所と、
信仰に対する敬意や宗教上の禁忌や深い謎は恐怖心が深く混ざってきます。
そういった観客の身近に起こりそうな、想像し感情移入できそう…というのがこの作品の一番の怖いところでした。





ぜひ一度観てみてくださいね!

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